ブックタイトルKentaiNEWSvol210

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概要

KentaiNEWSvol210

微妙な違いが大きな差を生むのです。風の吹くまま気の向くまま。落語家は呼ばれれば着物一丁だけ持って全国津々浦々、まさに旅こそが仕事であります。落語会が終わると、その土地土地のおいしい地酒と名産物が待っています。「落語を聴いた後の酒は旨い」。主催者さんからいつも聞かされるありがたいセリフです。先日九州のとある地方をお邪魔し、打ち上げも楽しく4次会へと繰り出すことになりました。小さなスナックを切り盛りするママさんは30過ぎでしょうか、とても綺麗な人でした。時刻は日付がかわった御前様、私を連れて来た人はカウンターで眠ってしまっています。明日は早朝の飛行機で帰らなければならなかったので私も「そろそろ帰ります」と伝えるとそのママさんが近づいて来て私の耳元でこうささやいたのです。「お願い。抱いて」。「うお!チャンス到来!」。でも、ここで焦っては台無しです。しらばっくれた振りをして「今よく聞こえなかった。なんて言ったの」。彼女は改めてこう言いました。「お願い。どいて」。のれんを中に取り込もうとした彼女にとって私は邪魔だったのですな。「抱いて」と「どいて」。一文字違いですが大きな開きですな。「ささいなことが大きな差を生む」のは「トレーニング」も一緒だと思うのです。ベンチプレスはきちんと胸までおろさないと効きませんので筋肥大につながりません。スクワットも太ももが床と平行になるまでしゃがまないと足腰は鍛えられません。いや、「どいて」と邪魔者扱いされるか、「抱いて」と受け入れられるかのこの差は「日頃の地道なトレーニングの差」なのでしょう。「だ」と「ど」の違いは天地の開き。一回一回細部にきちんとこだわりを持ってやることの積み重ねこそがライバルとの差をつけるのですな。人生は一度限り。「一期一会」の精神で今日も汗を流しましょう!談慶の読んで筋肉回復期5Vol.KKベストセラーズ1,000円(税別)大好評発売中!大事なことはすべて立川談志に教わった●立川談慶(たてかわだんけい)立川流真打ち昭和40年生まれ/長野県上田市(旧丸子町)出身/慶應義塾大学経済学部卒業後、3年間のサラリーマンを経て、立川談志に18番目の弟子として入門。ベンチプレス120kg15