ブックタイトルKentaiNEWSvol209

ページ
6/20

このページは KentaiNEWSvol209 の電子ブックに掲載されている6ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

KentaiNEWSvol209

グ、カラダづくりのすべてを行うことはできないので、それらを上手く効率よく回していくことが強くなるためのポイントです。そして、トレーニングを継続するには、故障をしないことがいちばん大事なので、ウォーミングアップや練習後のケアも十分に行っています。試合前は、基本的に一週間前から練習量を少しずつ落としていきます。一週間前から懸命に練習を行っても、あまり成果は期待できません。試合までに、どれだけの準備ができているかが大事なので、逆算方式でスケジュールを考えて上手く練習を行っています。――有酸素運動と筋力トレーニングの取り入れ方についてはいかがでしょうか?トレーニングの目的は人それぞれだと思いますが、瞬発力と持久力のバランスを取るために、あるいは筋力をつけながらも無駄な脂肪はできる限りつけないために、筋力トレーニングと有酸素運動の両方を行うことは必要なことです。筋力トレーニングを行うと、先に糖質がエネルギーとして使われるため、脂肪がエネルギーとして力も高いです。ただひとつ引っかかったのが食事面です。大事なことは何を食べているかです。そこを意識して見直すことが本来の健康なカラダづくりのためのランニングであり、ランナーの皆さんに意識して欲しいことです。――普段の指導で組んでいるトレーニングメニューやポイントについてお願いします。スタミナをつけるには、走り込みがすごく重要視されています。ただし、私の考えでは必ずしも「走り込み=ロング走」がスタミナづくりのためのトレーニングではありません。「スタミナづくり=インターバル走」と考えることもあります。独自にデータを取っており良い結果が得られているため、このような練習も取り入れています。スピードをつけるためのスピードトレーニングも行っています。速いスピードで走ることで筋力や心肺機能に負荷をかけて、神経に速い動きを覚えさせることでスピードを高めることが目的です。どの選手にも平等に与えられているものは一日24時間という時間です。限られた時間のなかで、スタミナづくり、スピードトレーニン――持久力が重要となるスポーツにおすすめのサプリメントは何でしょうか?運動時のエネルギーをうまく使うために、選手にはBCAAシトルリンプラスを摂らせています。基本的に走る前、特にロング走ではおよそ2時間前に飲ませています。あとは試合前です。飲むのと飲まないのとではスタミナの持続や疲労感が全然違うと思います。また、サプリメントは継続して飲むことに意味があると感じています。効果に即効性はなく、積み重ねた結果が良い効果をもたらすと思います。私自身、アミノクイックを長い間飲み続けている理由は、継続したことで、良い結果を出すことができたと思えたためです。――現在、ランニングの普及活動に力をいれていますが、ランニングの魅力とは?いちばんは健康的なカラダが維持できるという部分です。指導している初心者ランナーは、走りはじめてからみんなが若返っています。やはり肉体的な部分と精神的な部分の両面で若返り、元気になれることがすごく魅力的だと思います。――ランニング練習をするうえで一般市民ランナーに気をつけて欲しいことは?現在、一般市民ランナーの健康に関する研究をしており、ランナーのおよそ7?8割が足に痛みを持って走っているという現状があります。要因のひとつは、月間の走行距離やトレーニング回数です。ですので、個人の能力に見合った走行距離と回数でトレーニングを行うことがケガ予防には大切なことです。もうひとつは食事の摂り方に対する意識です。厚生労働省の調査方法をもとに生活習慣の調査をしたところ、ランナーでは二十歳を過ぎてから体重が10kg以上増えた人は一般の人と比較して少なく、運動能燃焼されやすい状態になります。そのあとに、長距離走などの有酸素運動を行うことで、脂肪の代謝が高まり、最近ではダイエット効果が高いと言われています。私たちも最近は、先に筋力トレーニングを行い、そのあとにランニングメニューに入っています。――最後に今後の目標についてお聞かせください。やはり2020年に開催される東京オリンピックは重要なイベントですので、そこに賭けたいとの思いがあります。私自身が常に進化していないと選手も進化していかないと思いますので、2020年に向けて自分自身がより進化し続け、活躍できる選手を育成していくことを目標にしています。東京オリンピックのマラソン種目では、現在指導している選手がきっと活躍すると思います。まずは、中?長距離のオリンピック種目に特化した指導を行っていきたいと思っています。高尾憲司たかお・けんじ●1975年3月23日/京都府出身/ランニングクラブ・ブルーミング代表/94年5,000m・10,000mジュニア日本新記録樹立、世界ジュニア陸上10,000m銀メダル獲得/95年イエテボリ世界陸上10,000m代表/97年東アジア大会10,000m銀メダル獲得/98年日本選手権10,000m優勝/98年バンコクアジア大会10,000m金メダル獲得/07年3月湘南国際マラソン優勝/高校時代から頭角を現し、93年旭化成㈱入社。同陸上部時代には全日本実業団駅伝:7回出場・優勝4回・区間賞4回獲得。05年に旭化成陸上部を退部し個人活動へ。㈱ブルーミングHP:http://www.rc-blooming.jpFacebook:https://www.facebook.com/bloomingrun(個人):https://www.facebook.com/takaokenji06