ブックタイトルKentaiNEWSvol207

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概要

KentaiNEWSvol207

ンごとにスポンジ、氷、スポーツドリンクを必ずもらい、脱水症状や熱中症にならないよう気を付けました。6km通過時点で前を走る2選手との差が3分縮まったという情報をもらいました。昨年は2位を走っていて、早く先頭に追いつきたい一心で前半からオーバーペースで突っ込んでしまい、最後までもたなかった経験から、今年は自分のペースを維持しながら、少しずつ前との差を詰めていく作戦にしました。15km付近で東選手を抜き2位に上がりました。21kmの折返しで田中選手とすれ違い、差を確認。折返しからペースを上げていきたかった所でしたが、暑さにも苦しめられ、ペースを上げるどころかキープするのが精一杯になってしまいました。そのまま2位でのフィニッシュとなりました。今回の結果に関しては、目標だった優勝もできなかったし、タイムも悪い。パフォーマンス的にも良い時の60%位でした。ただ、自分の中で何か吹っ切れたレースができました。高いモチベーションを保つことが、年々難しくなってきていました。今まではどんな事があっても、最後まで諦めないレースをするのが自分のスタイルでしたが、それがいつしかできなくなってしまっていました。レースでの苦しい場面から逃げるようになってしまいました。身体の疲労もありました。常に疲れている状態にあり、内臓トラブルも重なって思うようにレースができない。練習でやってきたことが、レースで発揮できないもどかしさも感じていました。特に今年の冬は、2月に体調を崩してしまったこともあり、気力が伴わないまま、3月のアイアンマンニュージーランド大会に出場してしまいました。結果リタイア。こんな形でシーズンインを迎えてしまい、プロとして失格でした。しかし、そこで気付いたのは、身体の疲労以上に実は心の疲労の方が大きかったということでした。長年やっていれば、誰にだって良い年悪い年は必ずある。悪い年は悪いなりにベストを尽くすこと。大切なのは、その現状から逃げ出さずにやり続けること、と思えるようになって、気持ちも前向きになってきました。今大会では、持ち前の強い心が戻ってきました。苦しい場面でも逃げずに、気持ちで走る。そのスタイルを最後まで貫けたことが一番嬉しかったです。身体も健康な状態に戻ってきているのも実感できました。3月のアイアンマンニュージーランド大会以降から今大会までは、まずは練習よりも身体を健康な状態に戻す事を最優先にしました。練習量は少なかったですが、その代わり体調が良い状態に戻ってきて、気力もアップしました。私はまだやれる、という自信も蘇ってきました。1ヶ月前までのどん底の状態を思うと、何とかここまで戻ってこれて、今大会に間に合って良かったです。もう終わりなのかと思ってしまった時もありましたが、まだまだこれから。一度きりの人生、納得のいくまでやり抜きたいと思います。今後とも応援を宜しくお願い致します。2014年4月29日株式会社ライムメンバーズ酒井絵美酒井絵美プロトライアスリートライムメンバーズ所属1980年4月23日群馬県生まれ。中学高校時代はバスケットボール部に所属、インターハイを2度経験。大学入学と同時にトライアスロンを始める。2003年ロングディスタンスに初参戦。2005年よりプロに転向。現在はアイアンマンワールドチャンピオンシップ(ハワイ島コナ)でのTOP10入りを目指し活動中。「今年の2月に、活動拠点を生まれ故郷の群馬県前橋市に移しました。そして今年度より群馬県の企業である、株式会社ライムメンバーズの契約社員として、トライアスロンの活動をサポートして頂けることになりました。自身の競技力アップはもちろんのこと、群馬県のトライアスロン、スポーツの発展と普及に努めていきたいと思っています。新たな環境の元、心機一転頑張ります!」07