Kentai BLOG

少年野球

PICT1254s-.jpg 息子が少年野球チームを卒団しました。
小さな手を引いて初めてグランドに来た日を思い出しました。
あっという間の4年間でした。
監督、コーチをはじめ、お世話になった皆様、ありがとうございました。
選手の皆さん、中学でもがんばってください。

Kentai 上野

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栄養セミナー

Image089s.jpgKentaiでは、栄養摂取やサプリメントに関するセミナーを開催しています。
これは大学の野球部で行ったプロテインセミナーの模様です。
オフシーズンのカラダづくりに効率的な栄養補給は必須です。
ご興味のある方は webmaster@kentai.co.jp までお問い合わせください。

Kentai江崎

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Kentai 浜田

アイススケート

アイススケート01.jpg家族とアイススケートへ行きました。
久しぶりのスケートでしたが、子供たちと楽しい時間を過ごせました。 

Kentai 中林

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キッズレース

キッズ .jpg幕張で、MTB(マウンテンバイク)のレースがありました。
キッズの選手たちも、寒さに負けず、元気に走っていました。

Kentai出町

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体脂肪をめぐる最近の話題:2. 消化管ホルモンと脂肪の蓄積

前回、脂肪組織が内分泌器官でもあり、さまざまなホルモンやサイトカインを分泌すること、これら
が過剰に分泌されると、健康に直接悪影響を及ぼすことなどをお話ししました。
今回も同じく脂肪の話題になりますが、脂肪を太らせる要因として、消化管ホルモンのはたらきが
重要であることがわかってきましたので、この点についてご紹介しましょう。

注目される消化管ホルモン:GIPとPYY3-36
胃や腸は消化器官ですが、内分泌器官としてもはたらき、さまざまなホルモンを分泌します。
古くから知られているものに、ガストリンやモチリンなどがあり、胃酸の分泌や腸の蠕動運動を促
して、消化・吸収を助けます。
一方、胃酸の分泌を抑制するホルモンもあり、消化管抑制ペプチド(GIP)と呼ばれています。
最近、このGIPが肥満との関係で注目されています。
GIPは、脂肪が膵液リパーゼによって分解され、小腸から吸収されたときに、十二指腸から分泌さ
れます。
おそらく、エネルギーの大きな脂質を摂取したという信号となって、消化活動を減速し、余分なエ
ネルギー摂取を抑えるはたらきをしているものと想像されます。
脂肪食が「腹もち」がよいのは、こうしたしくみが一因となっています。
また、ごく最近Batterhamら(2002)は、同様に栄養が小腸から吸収されたときに、PYY3-36とい
うホルモンが分泌されることを示しました。
このホルモンは、脳の視床下部にある摂食中枢に直接はたらいて、食欲を抑えると考えられ、痩
身薬として期待されています。

GIPと肥満の関係
このように、GIPやPYY3-36は、余剰なエネルギー摂取を避け、肥満を予防する「満腹ホルモン」
としてはたらくものと思われます。
何度かお話ししましたが、それでも脂肪が太ってきてしまった場合には、脂肪細胞からレプチンが
分泌され、摂食中枢にはたらいて食欲を下げるという「念押し機構」もあります。
ところが、GIPが逆に肥満を招くこともわかってきています。
Miyawakiら(2002)は、GIPをつくることのできないマウス(GIPノックアウトマウス)と、通常のマウ
スに高脂肪食を与えたところ、通常のマウスでは体脂肪量が倍以上に増えたのに対し、ノックア
ウトマウスでは、体脂肪量が全く増えないことを見いだしました。
また、レプチンをノックアウトしたマウスは極度の肥満になりますが、レプチンとGIPをともにノック
アウトしたマウスでは、肥満の程度が低いこともわかりました。
これらは、長期的な高カロリー食のもとでは、GIPはむしろ肥満を助長するようにはたらくことを示
唆しています。

インスリンとGIPの相乗作用
こうしたGIPのはたらきは、脂肪細胞に対する効果によるものと考えられます。
脂肪細胞は、血液中のグルコースを取り込み、これから中性脂肪を合成して蓄積します。
脂肪細胞によるグルコースの取り込みは、インスリンによって刺激されます。
従って、血糖の上昇→インスリンの分泌→脂肪細胞によるグルコースの取り込み→脂肪細胞の
肥大、という図式になります。
ところが、Miyawakiら(2002)の研究から、このインスリンのはたらきが、GIPによって増強される
ことがわかりました。
すなわち、GIPは脂肪細胞によるグルコースの取り込みを促進するはたらきがあるということにな
ります。
また、栄養として小腸から吸収された脂肪は、タンパク質とコレステロールでできた「袋」に包まれ
たかたちで血液中を運ばれてきます(リポタンパクコレステロール)。
脂肪細胞は、血中のリポタンパクを細胞表層のリポタンパクリパーゼ(LPL)という酵素で、一旦脂
肪酸とグリセロールに分解し、これらを吸収してから中性脂肪に再合成して蓄積します。
GIPはこのLPL活性を高めることもわかりました。

低インスリンダイエットの落とし穴
「低インスリンダイエット」が流行しています。
この方法は、上記のように脂肪細胞によるグルコースの取り込みはインスリンによって活性化さ
れますので、食後にあまりインスリンが分泌されないようにすれば肥満を防げるというものです。
膵臓からのインスリンの分泌は、血中のグルコースによって刺激されます。
したがって、同じ炭水化物でも、グルコース(ブドウ糖)に比べて果糖やガラクトースを多く含むも
のを摂取した方がよいということになります。
食品を摂取したときに、インスリンの分泌を促す指標として用いられるものが「グリセミック指数」
(GI値)で、通常白パン(日本では白飯の場合が多い)を100として表します。
GI値の低い食品にはパスタ、蕎麦、フルーツなどがありますので、これらを食べるのがよいという
ことになります。
これは誤った考えではないのですが、脂肪食の影響をやや軽視しているきらいがあります。
実際、マウスに同じカロリーの通常食と、果糖+高脂肪食(低GI値)を与えたところ、後者の方で
より著しい肥満が起こったという報告もあります。
これは、インスリンの分泌が低くとも、脂肪食によってGIPの分泌が高まり、脂肪細胞に対するイ
ンスリンの作用を増強してしまうためと考えられます。
低GI値にばかりこだわるのではなく、やはり脂肪の摂り過ぎそのものに、まず注意を払う必要が
あるといえるでしょう。


石井直方 東京大学大学院教授 理学博士

Kentaiニュース155号(2002年10月発行)より転載

志段味スポーツランド 合戸選手セミナー

無題s.jpg先日、愛知の志段味スポーツランドにて合戸選手のセミナーが行われました。
多くの方に参加いただき、イベントは大盛況でした。

Kentai江崎

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体脂肪をめぐる最近の話題:1. 内分泌器官としての脂肪組織

体脂肪と健康
体脂肪を敵とするのは、アスリートだけではありません。
一般人にとっても、過剰の体脂肪は体型を崩すばかりでなく、健康を脅かします。
ご存じのとおり、肥満は虚血性心疾患、脳血管障害、糖尿病などの生活習慣病の危険因子とさ
れています。
このことは主に、肥満とこれらの病気の罹患率の関係を調べた疫学的研究から裏付けられてい
ます。
一方、肥満がこれらの病気を引き起こすメカニズムについては、実はあまりはっきりしておらず、
これまで複雑で難解な機構が提唱されてきました。
専門家でさえ、「太り気味だとなぜ悪いの?」と正面切って問われると、答えに窮するかもしれま
せん。
ところが最近、脂肪組織が内分泌器官でもあり、さまざまなホルモンを分泌することがわかってく
ると、脂肪と健康の関係がより明確になってきました。

痩せるホルモン:レプチンとアディポネクチン
脂肪組織は主に脂肪細胞からできています。
10年ほど前、この脂肪細胞が「レプチン」というホルモンを分泌することが発見され、「体脂肪は
内分泌器官である」ということで大変な話題になりました。
このコラムでも何回かご紹介したとおり、脂肪細胞が中性脂肪を蓄積するとレプチンを分泌しま
す。
レプチンは中枢にはたらき、食欲を低下させるとともに交感神経を活性化して脂肪分解を促し、
太り始めた脂肪細胞を痩せさせます。
一時、「究極の痩身薬」として注目されましたが、残念ながら通常の肥満では、レプチンの分泌量
自体も多いことがわかりました。
その後、「アディポネクチン」という新たなホルモンが発見され、これが肝臓や骨格筋にはたらい
て脂肪酸の代謝を高めることがわかりました。
これらの2つのホルモンは、全身にはたらいて脂質代謝を改善する、いわば「善玉のホルモン」と
考えることができます。

糖尿病を引き起こすホルモン:レジスチン
一方、最近になって、からだに「悪さ」をするホルモンも脂肪細胞から分泌されることがわかりまし
た。
「レジスチン」と名付けられたこのホルモンは,脂肪細胞自身や肝臓、骨格筋などに対するインス
リンの作用を阻害します。
通常であれば、血糖が上がると膵臓からインスリンが分泌され、インスリンは肝臓、骨格筋、脂肪
組織にはたらいて糖の取り込みを刺激し、血糖を下げます。
一方、レジスチンが多いと、このインスリンの作用が阻害されるため、インスリンが分泌されても
血糖が下がりにくいことになります。
このような状況を「インスリン抵抗性」と呼びます。
インスリン抵抗性の原因となることから、「レジスチン」という名前がついたわけです。
インスリン抵抗性は、生活習慣病である II型糖尿病の初期段階です。
すなわち,「脂肪細胞は糖尿病を引き起こす物質を分泌する」ということができます。

心筋梗塞を引き起こすサイトカイン
脂肪細胞はまた、さまざまなサイトカイン(元来,白血球から分泌される局所性ホルモン様物質)
を分泌することもわかってきています。
その中で、インターロイキン-6 (IL-6)、TNF-α(腫瘍壊死因子-α)、PAI-1(プラスミノーゲン活性化
抑制因子)などが注目されています。
これらは本来、炎症反応に関わる因子で、IL-6 や TNF-αは動脈の内壁に過酸化脂質を沈着さ
せ、動脈を狭く、固くします。
PAI-1 は、血液凝固を促進し、血栓を生じさせやすくすると考えられています。
これらのことから,「脂肪細胞は、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす物質を分泌する」ということが
できます。
少々乱暴な表現をすると、体脂肪が蓄積すると、「全身の血管が炎症のような状態」になるといえ
るかもしれません。

内臓脂肪か皮下脂肪か
これらのホルモンやサイトカインは、主に皮下脂肪と内臓脂肪のどちらから分泌されるのでしょう
か。
少なくとも TNF-α や PAI-1 などについては、内臓脂肪のほうが分泌活性が高いことが示唆され
ています。
これには、内臓脂肪の生い立ちが関連しているかもしれません。
内臓脂肪はおそらく、骨髄由来の多能細胞(いろいろなものになれる細胞)がつくる、比較的幼若
な脂肪組織と思われます。
その分、さまざまな物質をつくる能力も発現しやすいものと考えられます。

脂肪の増えすぎが問題
レジスチンやPAI-1 も、脂肪組織内で局所的にはたらいていれば、脂肪細胞への糖の取り込み
を抑制することで、脂肪組織自身が太りすぎるのを防止する、有用な物質です。
いわば、脂肪細胞の「満腹のサイン」といえます。
しかし、それにもかかわらず過剰のエネルギー摂取によって、体脂肪が体の30%というような量
になると、それらの影響が全身に波及すると思われます。
従って、常に脂肪組織に「エネルギー備蓄のための余力」をもたせておくことが重要なのでしょう。

石井直方 東京大学大学院教授 理学博士

Kentaiニュース154号(2002年8月発行)より転載

 

P1000383 (1)s.jpg湖に太陽が反射し、水面が輝いていました。
穏やかな水の流れを見ていると気持ちが落ち着きます。

Kentai 小林

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筋萎縮の遺伝子治療への期待と不安

私がまだ学生のころ、「トレーニング直後に筋の中で生成される物質と同じものを筋に注射しただ
けで筋肥大が起こらないものか?」とよく考えたものです。
それから20年ほどの間、このようなことは「夢物語」でした。
しかし最近、これとほぼ同様のことが、加齢にともなう筋萎縮や筋ジストロフィーの遺伝子治療の
ための「最終兵器」として、にわかに現実味をおびてきました。
今回は少々恐ろしいお話しをご紹介しましょう。

筋肥大を促す因子:IGF-I
以前、筋量を決める決定的な要因として、ミオスタチン(GDF-8)という成長因子のお話しをしました。
ミオスタチンの遺伝子をこわした動物をつくると、筋が著しく肥大し、マウスではその筋量が通常
の2~3倍にもなります。
すなわちミオスタチンは筋の発達を抑制している因子ということになります。
一方、筋肥大を促進する可能性のある因子もいくつかあり、その代表が、インスリン様成長因子-I
(IGF-I)です。
この因子は、トレーニングによる機械的刺激や、成長ホルモンの作用によって筋線維から分泌さ
れ、筋線維自身にはたらいてタンパク合成を促す(自己分泌)と考えられています。
したがって、最終的な筋量はIGF-Iとミオスタチンのバランスで決まるとも考えられていますが、
IGF-Iの役割がどれほど大きいかについては、これまでよく分かっていませんでした。

ウイルスを用いてIGF-I遺伝子を筋に注入する
ところが、昨年の末、Barton-Davisらが、このIGF-Iに関する戦慄的な実験結果を公表しました。
彼らは、マウスのIGF-I遺伝子をアデノウイルスというウイルスの遺伝子に組み込み、このウイル
スの懸濁液をマウスの下腿筋に注射しました。
すると、6カ月齢のマウスにたった1回注射しただけで、その4カ月後には、長指伸筋の筋断面積
と筋力が、生理食塩水を注射したもの(対照とする反対側)に比べ、約15%増大したのです。
さらに、23カ月齢という老齢マウスに同様の注射をすると、やはりその4カ月後には筋断面積と
筋力がいずれも約15%増大し、通常の6カ月齢のマウスの場合とほぼ同様の筋断面積と筋力を
もつようになりました。
これをヒトの場合にあてはめると、「70歳の老人の筋に1回注射をすれば、20歳代の筋に回復す
る」というようなことになるでしょう。

ウイルスを媒体として、多数の細胞に一様に遺伝子を注入するという手法は、遺伝子治療の基
本戦略になりつつあるものです。
筋に注射された多数のアデノウイルスは、筋線維に感染し、筋線維の中に入り込みます。
ウイルスの増殖能は弱く、筋線維をこわすことはありませんが、筋線維に注入されたウイルスの
遺伝子は、ウイルス自身のタンパク質を筋線維につくらせ続けます。
したがって、IGF-I遺伝子を組み込んだウイルスにひとたび感染した筋線維は、いつまでもIGF-Iを
つくり続け、こうして過剰につくられたIGF-Iが筋肥大を引き起こすものと考えられます。

IGF-Iは局所的にはたらく
Barton-Davisらはさらに、ウイルスを注射したマウスの循環血中のIGF-I濃度を測り、筋内でつく
られたIGF-Iは筋中にとどまっていて、ほとんど循環血中に出てこないことを示しました。
なぜIGF-Iが筋の中にトラップされるのかはよく分かりませんが、このような局所的なIGF-I生成が
体循環に現れないことが、これまでIGF-Iの作用がやや過小評価されてきた一因と考えられます。
いずれにしても、この実験結果は、「1回注射をするだけで、目的とする筋のみを肥大させること
ができ、全身的な副作用は現れない」ことを示唆します。
ボディビルダーにはよだれが出るような話しです。

スポーツへの悪用の危険性
上の実験は、老化に伴う筋萎縮の治療を考える上で重要です。IGF-Iは、骨形成にも関係してい
ると考えられますので、骨粗しょう症の治療にも応用できるかも知れません。
また、全身のIGF-I活性の低下が老化を引き起こすという考えもあり、たとえば20歳のときに全身
の細胞にこの遺伝子を注入すれば、外見上年をとらずにすむかも知れません。
もちろんこのようなことは倫理的に問題です。

ここまでは行かなくとも、「スポーツへの悪用」についてはBarton-Davisらも論文中で危惧してい
ます。
「1度注射をするだけで、後は何をしなくても筋が太く、強くなる」と聞けば、おそらく多くのアスリー
トやビルダーの目の色が変わるでしょう。
しかもこの不正を検出するには、筋組織のDNA分析しか手だてはないものと思われます。
10年後に「遺伝子ドーピング」などということばが出現することのないように、今後十分な配慮が
望まれます。

トレーニング科学へのインパクト
ポジティブな面を考えてみましょう。
IGF-Iが、トレーニングによる筋肥大に関わる(少なくとも一つの)重要な因子となる可能性が強ま
りました。
今後、研究面では、局所的なIGF-I生成を高めたり、ミオスタチン生成を抑制したりするようなトレ
ーニングが、「効果的なトレーニング法」のひとつの指標となるでしょう。こうした展開によって、21
世紀にふさわしい「革新的トレーニング法」が生まれることを期待しています。

石井直方 東京大学大学院教授 理学博士

Kentaiニュース135号(1999年6月発行)より転載

プロレスラー

柿沼選手s.jpg
プロレス団体『ZERO1』の新人レスラー柿沼選手(写真左)です。
埼玉県深谷市のハタヤスポーツでお会いしました。
柿沼選手は埼玉県出身の元高校球児です。
カラダづくりにKentaiプロテインをご愛用いただいていおり、ハタヤスポーツ吉岡店長(写真右)も
大絶賛の注目若手選手です。
皆さん応援宜しくお願いします。

Kentai 浜田

【凱旋試合】
『ZERO1 WRESTLER'S』 熊谷大会
2月26日(金) 熊谷市民体育館(埼玉県)

大腰筋パラドックス

  • カテゴリ:
  • 2010.02.10

大腰筋のはたらき
大腰筋の機能は、「見える筋肉,見えない筋肉」、「大腰筋の機能とトレーニング」でも取り上げま
したが、おさらいをしておきましょう。
大腰筋は、腰椎に始まり、腸骨に始まる腸骨筋とともに骨盤表面を通り、大腿骨基部内側に終わ
る筋です。
大腰筋と腸骨筋を合わせ腸腰筋とも呼びます。
主に次の3つの機能があります:1)股関節を屈曲させる、2)骨盤を前傾させる、3)腰椎を斜め
前方に引き下げ脊柱のS字型を維持する。

パラドックスその1
ところが、以前から、股関節屈筋である大腰筋(+腸骨筋)は、股関節伸展のときにもはたらくと
考えられていて、「腸腰筋パラドックス」と呼ばれてきました。
強く脚を後方に蹴る(バックキック)、典型的な股関節伸展動作を考えてください。
このとき、背中を丸めて行うとうまく脚が上がりません。
正しいバックキック動作では、胸を張って腰椎を伸展させ、同時に骨盤を前傾させることで脚をさ
らに後方に蹴り上げます。
したがって、必然的に大腰筋がはたらき、エキセントリックな力発揮をすることになります。
このような状況は、スクワットでのハムストリングスのはたらきに似ています。
すなわち、大腰筋が腰椎から骨盤を経由した多関節筋であるという特性に基づく当然の機能と考
えられます。

パラドックスその2
もうひとつパラドックスがあります。
それは、「猫背」に関係したことです。
出版した本では、猫背の原因は「大腰筋の弱化による骨盤の後傾である」と書いてしまいました
が、実はこれが完全には正しくないことがわかりました。
確かに、骨盤の後傾がもとで腰椎がまっすぐになり、胸椎上部から頸椎にかけて急激に前屈して
しまう場合がありますが、これは高齢者に多いようです。
若い女性を対象に調べてみると、逆に骨盤が前傾しすぎて、腰椎のS字全体が深くなりすぎる場
合が多いようです。
こうなると内臓が腰椎と骨盤に押し出されるようにして下垂し、下腹部が目立ってせり出してしま
います。
ところが、この場合にも、大腰筋のトレーニングをすると、短期間で驚くほどの改善効果があること
がわかりました。
大腰筋は基本的に骨盤を前傾させるはずなのに、なぜでしょうか?

腰椎と大腿骨のリンケージ
おそらくその答えは以下のようなものと考えています。
正しく直立した姿勢を真横から見ます。
つま先と踵の中点から上に垂線を延ばすと、その線上には、股関節、第2腰椎(へそ直下)、肩関
節、頭の中心部が位置するはずです。
第2腰椎は大腰筋の起始側の中心で、しかも体の重心位置に近いところです。
したがって、この位置を体の中心線上に保つことが重要で、このときの骨盤の位置と傾斜角が理
想的となります。
大腰筋は、腰椎と大腿骨基部を直接結ぶ唯一の筋ですので、腰椎の位置が前方に出過ぎた場
合(骨盤は前傾しすぎ)、後方に下がった場合(骨盤は後傾)のいずれの場合にも、その位置を股
関節の真上に修正するはたらきをもつものと考えられます。

姿勢への即効的効果の実例
まだ断片的なデータの寄せ集めですが、姿勢に問題があった25-36歳の女性11名についての
例をご紹介します。
「足踏み」、「骨盤引き上げ」、「レッグレイズ」の3種目のエクササイズを1日置きに行ってもらった
ところ、すべての方が、2週間でほぼ完全に上記の理想的な姿勢になりました。
平均の数値でみた場合、最も顕著に変化したのはウエストサイズで、2週間で95.9%に、1ヶ月
で93.6%になりました。
一方、体重は2週間で97.9%、1ヶ月で96.3%、体脂肪率は2週間で99.1%、1ヶ月で93.3%に
なりました(いずれも初期値を100%)。
このことから、最初の2週間では、体重や体脂肪率はあまり変化することなく、主に姿勢が改善さ
れることにより、見た目にもスタイルが良くなることがわかります。
こうした変化が起こると、日常の動作なども改善され、やがて体脂肪そのものが減るという相乗
効果をもたらすものと考えられます。

スポーツ動作との関連
以前のコラムでは、大腿部を引き上げる動作を中心にお話ししましたが、今回のように考えると、
大腰筋はスポーツやトレーニングのさまざまな動作に関連することになります。
例えば、地面を後方に強く蹴る動作、股関節を伸展してジャンプするような動作、重心を安定して
沈める動作(ランジ動作)などでも重要といえるでしょう。
また、トレーニングでは、正しいスクワットやデッドリフトを行う上でも重要になります。
すると、普段スクワットやデッドリフトを行っている方には、特に大腰筋を意識したトレーニングは
必要ないということにもなりますが、これもパラドックスのようになってしまいますので、改めてもう
少し考えてみることにします。


石井直方 東京大学大学院教授 理学博士

Kentaiニュース158号(2003年4月発行)より転載

100207_063859.jpg少しずつ春の足音が聞こえてきました。
暖かくなるまでもう少し、体調に気をつけて頑張りましょう。

Kentai 出町

【おすすめ】 Kentaiスポーツサプリ 


スポーツビジネスフェア大阪

sbfos.jpg

インテックス大阪で開催されたスポーツビジネスフェアにKentaiのブースを出展しました。
沢山の方々にKentaiサプリメントを試飲していただき、大変充実した展示会となりました。

Kentai 中林

【おすすめ】 アミノクイック

火鍋

火鍋s-.jpg毎日寒い日が続いていますね。
そんな日は鍋を食べて体の中から温まりましょう。
この火鍋は二種類の味が楽しめて、美味しかったです。

Kentai 桐村

【おすすめ】 ダイエットスーパーシェイプ 

合戸選手セミナー(ゴールドジム大阪中之島)

CF3693.jpg先日、ゴールドジム 大阪中之島にて、合戸選手のセミナーが行われました。
多くの方に参加いただき、イベントは大盛況でした。

Kentai江崎

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「バーベルを下ろすこと」の大切さ

ウエイトトレーニング(最近では「レジスタンストレーニング」と呼びます)といえば、「バーベルを持
ち上げること」を即座に連想します。
しかし、上げたバーベルは次に下ろさなければなりませんので、正確には「バーベルを上げ下げ
すること」となります。
トレーニングによって筋が太くなり、筋力が増すことは立証されています。
しかし、これらの効果が、バーベルを何度も持ち上げた結果なのか,逆に何度も下ろした結果なの
かは、実は明らかではありません。

バーベルを上げる時、筋は力を発揮しながら短縮します。
一方、バーベルを一定の速度で下ろす時、筋は力を発揮しながら伸張されます。
従って、バイオメカニクスの分野では、前者を短縮性動作(コンセントリック・アクション)、後者を
伸張性動作(エキセントリック・アクション)と呼びます。
ある重さのバーベルを上げ下げする場合、筋が発揮する力は、上げる時(短縮性運動)も下げる
時も(伸張性運動)も同じです。

トレーニングを行うときの短縮性動作と伸張性動作、それぞれの効果は質的に異なるのでしょう
か。
筋を肥大させたり、筋力を高めたりする効果はどちらが大きいのでしょうか。
これらを厳密に調べた研究はあまりありません。
そこで、このような問題について私達が行っている実験の一部をご紹介しましょう。

同じ人の左右の腕(肘屈筋)に、プリーチャーベンチカールという、おなじみのトレーニングをさせ
ます。
ただし、例えば右腕はダンベルを上げる動作(短縮性動作)のみ、反対に左腕はダンベルを下ろ
す動作(伸張性動作)のみ、といった具合に、左右でやりかたを変えます。
トレーニングの前後で筋断面が増える場合も、筋力が増える割合も大きいことが分かりました。
つまり、「ダンベルをあげる動作」よりも「ダンベルを下ろす動作」の方が、トレーニング効果が大き
いということになります。
普段私達が行っているトレーニングでは、実験の場合の様に厳密に負荷を設定しませんので、こ
の結果を直ちに一般化するわけにはいきません。
しかし、あえて大まかに見積もると、バーベルの上げ下げを交互に行う通常のトレーニングでは、
全体の効果のうち40%程度が短縮性動作に、60%が伸張性動作すなわり「バーベルを下ろす動
作」によるものと考えることが出来ます。

ところで、伸張性動作には、「筋を破壊する」という、もうひとつの側面があります。
大きな負荷を用い、伸張性動作を主として行うトレーニング(伸張性トレーニング)をすると、強烈
な筋肉痛と著しい筋力の低下がおこります。
これらは、初回のトレーニング後2~3日でピークに達し、完全に回復するまで1ヶ月近くかかるこ
ともあります。
その原因は、筋の微細構造が壊れ、強い免疫(炎症)反応がおこるためと考えられています。
脚の筋郡について見ると、山や階段を登る時には短縮性動作を繰り返し、降りる時には伸張性動
作をくり返すことになります。
ネズミを2つのグループに分け、一方に坂をかけ登る運動、他方に坂をかけ降りる運動をさせる
と、坂をかけ降りたネズミの筋により大きなダメージが生じます。
私達の場合にも、例えば山登りの後で筋肉痛に悩まされるのは、山を登ったためではなく、山を
降りたためと言えるのです。
 
それではなぜ、伸張性トレーニングの方が大きな効果が得られるのでしょうか。
それは、私達のからだの中の修復機能自体も、トレーニングによって同時に高められるためと考
えられます。
実際、最初のトレーニング後には強い筋肉痛が続きますが、それをある程度我慢して2回目、3回
目とトレーニングを重ねると、筋の損傷からの回復速度が著しく高まることが示されています。

長期的な筋のダメージを伴うことから、伸張性トレーニングが敬遠された時期がありました。
その様な時期に作られた、あるメーカーのマシンについて調べたところ、伸張性動作時の負荷
が、(同じ重量をセットした時の)短縮性動作時の負荷の80%しかありませんでした。
他の多くのマシンでも、機械的摩擦などで、伸張性動作時の負荷が軽くなる傾向がある様です。
私達の実験結果から見れば、このことはマシントレーニングの大きな欠点のひとつと言えるでしょ
う。
また、「走る」「跳ぶ」など、すべてのスポーツの基本となる運動で、伸張性動作は極めて重要な
役割を果たしています。
従って、普段から伸張性動作による筋のダメージに対する抵抗力を高めておかないと、持続して
高度なパフォーマンスを発揮できないということになると思います。

これらのことから、伸張性トレーニングは今後ますます注目されてくると考えられます。
普通のトレーニングを行う場合でも、「ていねいにバーベルを下ろすこと」が重要であることは言う
までもありません。
トレーニング科学はまだ未熟ですので、多くの場倍、経験が実証に先んじる様です。
トレーニングの熟練者で、雑なバーベルの下ろし方をしている人はあまり見ませんので、今回の
話も、多くの読者には「釈迦に説法」だったかも知れません。


石井直方 東京大学大学院教授 理学博士

Kentaiニュース100号(1993年8月発行)より転載

「サイズの原理」とトレーニング

負荷が小さく、量が少なくとも効果的に筋が肥大するという、摩訶不思議なトレーニング法「加圧
トレーニング」について前回ご紹介しました。
トレーニングの指導者や実践者の方々の間には、私がこのようなことを言い始めたことに対する
ある種の戸惑いがあるようです。
というのも、私自身が現役の時には、極めて高重量を用いてハードトレーニングをすることで定評
がありましたし、研究者としても、「いかにして筋に強い負荷をかけるか」を主張してきたからで
しょう。
ところが、研究が進むにつれ、トレーニング効果のメカニズムは想像していたよりはるかに複雑
で、例えば筋肥大といったひとつの効果を得るためにもさまざまなアプローチが可能と思うように
なりました。
そこで、今回は、どの教本にも載っていて、半ば常識となっている「負荷と効果の関係」について、
少し違った角度から検討してみることにしました。

負荷と効果の原則
トレーニングを行なう場合、その目的に応じて適切な負荷を設定しなければなりません。
筋のサイズを増さずに筋力を高めるのであれば最大挙上負荷(1RM)の90%以上、筋を肥大さ
せるとともに筋力を増すのであれば1RMの80%前後、筋持久力を増すのであれば1RMの
60%以下というのが原則となります。
これは、経験的にも、多くの実験からも概ね実証されています。
生理学的な根拠は十分に揃っているとはいえませんが、そのひとつに「サイズ原理」があります。

サイズの原理
私たちの筋肉を構成している筋線維には、大きく分けて速筋線維(FT)と遅筋線維(ST)があ
ります。
これらを支配している運動神経は脊髄に一個の細胞体を持ち、そこから軸索と呼ばれる突起を
伸ばしています。
軸索は筋肉の中で枝分かれをして、数百本の筋線維に接合しています。
一個の運動神経と、それが支配する筋線維の集団を、運動単位と呼びます。
つまり、筋肉中には、FTを支配する運動単位と、STを支配する運動単位がたくさん含まれて
います。

一般に、FTを支配する運動神経は、STを支配する運動神経に比べ、細胞体が大きく、軸索も
太く、支配している筋線維の数も多い、すなわち「サイズが大きい」という特徴があります。
私たちが徐々に大きな力を出していくような場合には、まずサイズの小さな運動単位から使い始め、
大きな力を出す段階になって初めてサイズの大きな運動単位を使うようになることが実験で確か
められています。
これを「サイズの原理」と呼びます。
言い替えると、発揮する筋力が小さいときにはSTから優先的に使われ、筋力の増大とともにFT
が使われるようになるということになります。
これは、エネルギーを節約するために大変都合のよい仕組みですが、大きな筋力発揮に向いて
いて、肥大する程度も高いFTをトレーニングするには、やはり1RMの80%前後の大きな負荷を
使って大きな筋力発揮をすることが必要なことを示しています。

サイズの原理の例外
ところが、最近までのいくつかの研究から、次に述べるように、サイズの原理にも例外があること
が分かってきました。

1)エキセントリックトレーニング
極めて軽い負荷を用いてトレーニングを行なうとき、筋の電気的活動を記録すると、負荷を上げ
(コンセントリック)、引き続き保持する(アイソメトリック)動作では、負荷が軽いので確かに
STが使われますが、次に負荷を下ろす(エキセントリック)動作では、逆にFTが使われることが
報告されています。
つまり、エキセントリックトレーニングでは、負荷の大きさにかかわらずFTが優先的に用いられる
ことになります。
エキセントリックな動作をうまく制御するのは(神経系にとって)むずかしく、体を守るために急激
な筋力発揮を要求される場合もあることから、収縮、弛緩速度の大きなFTを使うのだろうと想像さ
れていますが、詳細な機構は不明です。

2)バリスティックトレーニング
次に、極めて軽い負荷を急激に加速する場合を想像して下さい。
最近、サルを用いた研究から、このような動作を訓練すると、STを全く使われずに、FTを使う
ようになることが示されました。
このことから、急激な力発揮を行なうトレーニング(バリスティックトレーニング)でも、負荷の
大きさに関わらずFTを優先的に使う能力が高められると想像されます。
ただし、軽い負荷でもこれを強く加速するには大きな力が必要なので、「小さな筋力発揮にFTを
使う」ことでは必ずしもありません。
1)と2)を合わせ、さらにFTの使い方を練るのがプライオメトリックトレーニングということもで
きるでしょう。

3)加圧トレーニング
前回お話しした通り、加圧トレーニングでは、負荷が極めて軽いにもかかわらず、筋の活動レベ
ルは高負荷の場合と同じです。
この理由として、血流を阻害した場合、低酸素状態でも十分に働くことのできるFTが止むを得ず
使われるためだろうと私たちは考えています。
これらのトレーニングは、うまく行なえば大変効果の大きなものですが、いずれも「サイズの原理」
に対するアンチテーゼを含む点で共通するのが興味深いところです。

石井直方 東京大学大学院教授 理学博士

Kentaiニュース120号(1996年12月発行)より転載

「加圧トレーニング法」の生理

前回、パンプ・アップのメカニズムとトレーニングとの関係についてお話ししました。
その中で、現在私たちが行なっている、新しいトレーニング法の研究をご紹介すると予告しました
ので、今回はこれに関連したことをお話しします。
このトレーニング法は、私たちが仮に「加圧トレーニング法」と呼んでいるもので、筋肥大のメカニ
ズムにも深く関係している可能性があることから、研究対象としても極めて興味深いものです。
自己流にこれを行なうと大変危険なこともあり、公表については慎重に検討してきましたが、先の
体力医学会での発表を皮切りに、普及を試みる運びとなりました。

「加圧トレーニング法」とは?
このトレーニング法は、私たちの共同研究者であり、現サトウスポーツプラザのオーナーの佐藤義
昭氏が独自に考案し、長年行なってきた運動療法を、科学的に処方可能(方法、器具ともに国際
特許出願中)にしたものです。
その基本原理は、筋内の血流を適切に制限した状態でトレーニングをすると、極めて軽い負荷で
の少量のトレーニングによって効果的に筋が肥大するというものです。
そもそものヒントは「正座」にあり、一時的な血行不良を引き起こす正座が、かつての日本人の足
腰の強さの秘訣ではないかとの類推に基づくものだそうです。
対象は現在のところ、四肢の筋群に限られていますが、大腿部の筋群に適用できるだけでも、リ
ハビリテーションや中高齢者のトレーニングとして有用と思われます。

加圧トレーニングの方法
まず、上腕または大腿の基部を、圧センサを内蔵した、特別のベルトで加圧します。
このときの加圧の程度が大変重要で、動脈流を緩く抑え、静脈流を強く阻止するようにします。
加圧の程度を誤ると、逆に筋萎縮を起こす場合があるばかりか、障害の危険を伴うので、注意が
必要です。
この状態で、1RMの40%あるいはそれ以下の低強度の負荷を用い、ショートインターバルの
トレーニングを5分程行ないます(3~4セット)。

驚異的な筋肥大と筋力の増大
トレーニング処方の基礎理論からいえば、上のような低強度の負荷では、通常、筋肥大や筋力の
増加を期待できません。
ところが、このトレーニング法ではそれらが起こります。
私たちは、平均年齢60歳の女性11名に、この方法を用いて肘屈筋のトレーニング(ダンベカー
ル)を週2回、4カ月間行なわせました。
その結果、上腕部の筋断面積と筋力がいずれも、平均20%(最大30%)増加したのです。
トップアスリートではどうでしょうか。社会人トップレベルのラグビーチームの中に、重大な膝の障
害を持つ選手がいました。
彼にこの方法(大腿部筋群)を適用したところ、通常のリハビリでは完治までに10カ月以上かかる
ところを、3カ月以内で試合に復帰させることができ、しかも彼はその後の試合で大活躍して、優
勝の原動力となりました。
さらに、今年に入って、フォワードの主力選手たちにこのトレーニングさせたところ、2カ月間で脚・
股関節伸展パワーが平均20%増加しました。
実は、私自身もこの方法で肘屈・伸筋群のトレーニングを5分ずつ、週1回行なっていますが、2
カ月で上腕囲が3~4cm増えました。
50cmを超えたらコンテストに復帰しようかとも考えています。

だまされる筋肉
なぜこのような効果があるのかについては、基礎研究を積み上げている段階です。
生理学的な測定から、加圧した状態で40%1RMの負荷を上げているときの筋の活動レベル
が、加圧せずに80%1RMを上げているときと同程度であること、加圧トレーニング後には血中乳
酸濃度などが極めて高く、筋内環境がかなり劣悪な状態になることなどは分かりました。
さらに、前回お話しした、局所性貧血と再灌流という筋内環境のストレスが、加圧によって増幅さ
れることから、このようなストレスが筋肥大をもたらす一要因となるのではないかと想像していま
す。
興味深いことは、負荷を大きくすると、筋収縮のポンプ作用で血液が流れてしまい、かえって加圧
の効果が薄れてしまうことです。
加圧をせずに、トレーニング後の筋肉の状態を同じようにすることも可能と考えられます。
例えば、400mを全力で疾走する。10RMのスクワットを1分以内のインターバルで5~6セット行
なう、などです。
また、より高負荷を用いて、ショートインターバル、高重量を行なうトレーニング法はさらに効果的
な方法かも知れません。
しかし、嘔吐を覚悟しなければ、これらのトレーニングは行なえません。
したがって、加圧トレーニング法は、「筋肉をだまして肥大させる、誰にでもできる方法」と言い替
えることもできるでしょう。

石井直方 東京大学大学院教授 理学博士

Kentaiニュース119号(1996年10月発行)より転載